土地選びからプランの打ち合わせも佳境に入り、我が家建設に際して次に待っているのは、「仕様決め(しようきめ)」。何よりも一番悩んだのは、「床材」でした。
坂詰製材所で伐採から加工まで一貫生産で仕上げた「新潟県産・杉の無垢材」を採用することに夢と希望もありつつ、絶賛オムツの2男児がフリースタイルでズンドコすることによる「傷」に対する恐れや不安もあり。
そんな中、弊社サカヅメハウジングの施工実績の中でも、過去何度かお世話になっているのが新潟市内の床材屋さん「andwood」(アンドウッド)の遠藤さん。
困ったときは、プロに訊こう!
ということで、新潟市内のオフィスにお邪魔し、床材のプロに意見を伺った。(他でもない遠藤さんとは、二十数年ほど前、京都のとある大学で、同じ音楽サークルに在籍していたという、旧知であり、妙な間柄なのです。)
Q:現在、絶賛床材迷子になっているのですが、私同様、お家づくりの「床材の選定」でお悩みの方に、どんなアドバイスをされますか?
A:いまはインスタなどでいろいろな住まいのビジュアルに気軽に触れる機会が増えたと思います。
SNSで「これは!」と思った理想のお家の写真を持ってきていただければ、私(遠藤氏)が見ればどの樹種のどんな塗料を塗ったものか分かるので、イメージに近い床材をご提案できると思います。(←おお!心強い!)
そしてそれに加えて大事なこととして、お部屋の雰囲気や、床材の質感を生かすも殺すも、そのお部屋の「日の当たり方」及び「照明」だ、ということ。
お持ちいただいたイメージ写真の質感を再現すべくアドバイスもしてくれるという。
窓位置と照明と、床。。また新たな課題が見えてきた。
Q:最近の床材、どんなのが選ばれる傾向にありますか?
A:床材の選ばれる傾向として、色の濃い床材は、男性が好む傾向。対して女性は明るい樹種の床材を選ぶ傾向にあります。
ひと昔前は色の濃い床材が割と選ばれた印象ですが、最近は色の濃い床材があまり動きありません。
それってもしかしたら、家族内での男性の優位性が弱体化していることにも影響しているのかもしれません。
なるほど。床材も、時代によって流行り廃りがあるということか。
Q: どのように床材をお勧めしていますか?
A:私の場合、具体的な色や質感で聞くよりは、まずとっかかりとして「カジュアルな生活にマッチする暮らしがいいですか?それとも高級ブランドの路面店の店内のような、明るく人工的な空間ですか、またはホテルライクでラグジュアリーな住まいをイメージしますか?」のような。
さりげない質問のようで、とても大事なんです。極端な話、デニムのように暮らしに直結した普段着にするか、フルオーダーのドレスやスーツのようなフォーマルな設えにするのか?食事で例えたならば、カフェでの気の置けない仲間との食事にするか、高級レストランのコース料理にするか? どちらも「憧れ」ですが、向かっている方向性が全く違いますよね。
その上で遠藤さん個人の見解としながらも、
「カジュアルでかつ、末永く大切にしていける『愛着を持てる素材』を選択するのが、おすすめです。」と。
「お気に入りのジーンズを、日々さりげなく普段履きしていくことで、その色落ちや自分に馴染んでいく『変化』を楽しむ素地(そじ)」が、あるかどうか。
日々使うものは、その使用頻度により、へたりや色落ち、使用感が必ず出てくる。
または、生活する中でひっかけたりした際のほつれ、こぼしたりはねたりで落ちない汚れも。
そういう部分も含めて愛おしく思えるか、それとも日々、目にする度、気になって仕方がない「傷や汚れ」となるのか?」
遠藤さん曰く、そういう意味では、杉の無垢床は「上級者向けの床材」とのこと。
なぜなら、材種の「柔らかさ」でもたらされるメリット「暖かさ」「さらりとした質感」に対して、「傷がつきやすい」。
それらを、「共に生活した証(あかし)、エイジングの変化」ととるか、「傷やダメージ」ととるか。つまるところ、床材選びは、その人の性格や生き方にも左右されるのかも。奥深い!
※サカヅメハウジングの程島モデルハウスKINOBIは、「杉の無垢材」「ナラの無垢材」「カバの無垢材」3種を体感頂けます。見た目だけでなく、香り、肌触り含めた質感やお部屋全体にもたらす風合いも含めて、どうぞテイスティングしてみてください!(これはCMです)
1990年代のヴィンテージブーム以来、近年、再び古着やビンテージ家具に熱い視線が注がれ、「リユース」や環境への留意という観点でも一大ブームとなっている。
大手建具メーカーのEIDAIさんは、あえて使い古した風合いを再現した「ラスティックカラー」のラインナップを2015年より販売開始。
使い古した風合いや、現代のトレンドからあえて「外した」個性が、若年層を中心に脚光を浴びているのだ。
世の中的には「変化を楽しむ」というのは、実はトレンドなのかもしれない
そういう意味では、
「新潟県産:杉の無垢材」は「地産地消」という面からも、「変化を楽しめる」というトレンドの流れからも、「理想の素材」なのではないだろうか?
プロが言うのだから、間違いない。
最後に遠藤さんは、「欲を言うならば、変化していく床材に合わせて経年変化する塗り壁や珪藻土を選択することで、お部屋全体の変化を楽しめる」と。
クロス張りの壁もいいですが、左官職人さんが仕上げた漆喰なども、床材とともにいい感じで変化していく素材だから。
※程島モデルハウスKINOBIでは、和室に関しては「珪藻土(けいそうど)仕上げ」ですので、クロス張りとはまた違った風合いをもたらしてくれます。こちらも双方、目で見て触れてみてください。
その上でわたくし個人の意見ですが、ウエブやスマホ画面で目にする流行やオススメを見るだけで判断せず、実際に見て触って、においも嗅いでみて、ご自身の「肌に合う」か?が重要です。
床材は否が応でもお家にいる間は一番「直に接している」時間が多い部分ですが、反面、写真などのビジュアルデータだけでは伝わらない部分のほうが多いと思っております。
それぞれ皆さんがしっくりくる素材とその性質、経年による変化やコストも含めて、ご相談ください。
床材ひとつとっても、その住む人の生き方や考え方が出る。
また、その素材や考え方をより生かす演出も、プランによって可能になる。
遠藤様、勉強になります。
そんな遠藤さんのオフィスは、新潟市中央区にございますので、床材に迷った際はら、どうぞお気軽にお問い合わせてみてください。
==SHOP INFORMATION==
アンドウッド 〒950-0865 新潟県新潟市中央区本馬越2-18-1
TEL:025-385-6763
https://www.andwood.jp
サカヅメハウジング 安久