サカヅメハウジング/坂詰製材所として2年越しで進んでいた住宅建築がございまして、この度2023年の年の瀬に、引き渡すこととなりました。今回はそちらのご報告をさせて頂きたいと思います。
こちらのお宅の建設計画が持ち上がったのが2021年5月ころ。その時点では、長野県上田市にある「安藤建築設計工房」の代表の一級建築士:安藤政英氏(以下、安藤さん)が設計を担当する、ということと、「建築する場所」は決まっていましたが、施工業者(お家を建てる会社)がどこか、どんな仕様なのかは、決まっていませんでした。
そこに、お施主様のご紹介もあり、建築の施工業者として坂詰製材所/サカヅメハウジングが悠然と名乗り出たのですが、安藤さんも最初は「ほんとに大丈夫!?」と思ったとのこと。
なぜならば安藤さん自身が目指すのが「熟練大工さんの手刻みで作る、丈夫でしっかりとした木組みの、自然素材のお家」。
弊社製材所が推し進める「プレカット」(機械で木材を刻む技法)とは、全く逆の発想ですし、「そんな会社に、手刻みを出来る職人大工さんがいるのか?」というところを一番不安視されていたとのこと。
安藤建築設計工房さんのHPはこちら。素晴らしいコンセプト。https://ando-sekkei.com/
安藤さんの不安を見事に解消したのは、弊社の仕事を引き受けているベテラン大工さんたちの確かな技術でした。
そして、20代の若い大工さん達はベテラン勢の指導のもと、その技巧をしっかりと形にするべく、汗を流して木材を「手刻み」しました。
安藤さんは、その若い大工さんの姿にとても感動しておりました。
「技術がちゃんと次の世代に継承されている。」
今回現場を仕切ったのは20代の大工・権瓶さん。夏の酷暑の中でも、多くの大工さんを仕切り、段取りを考え、丁々発止しつつ、自らも動いていました。
その姿に心打たれたのか、当初は緊迫していた打ち合わせも、よりスムーズに意見交換が可能に。
弊社建築部工務の伊藤さんの的確でしっかりした対応に、安心してお仕事を任せて頂けるに至ったそうです。
今回この物件が出来上がる過程を傍らで見させていただく中で、自社の家づくりの自信にもなりましたし、「やっぱり木の家って、素晴らしい!」と実感できました。
そのお家は「サカヅメハウジング」の一般的な仕様とは全く異なったものかもしれませんが、「木の活かし方」「空間の活かし方」「部材の選定」などひとつひとつに、それぞれの会社や設計者の意味や目的があり、それら全ては結局のところ「お住まいになるお客様が快適に過ごせる住まい」という目標に繋がっている、という点では共通しているのです。
年末のお仕事最終日のことを「仕事納め」といいますが、住宅における部材や建具のバランスや仕上がりを「おさまり(納まり)」といいます。
(例:「玄関の納まりがいい」「この建具は納まりがまずい」など)
皆さんにとって、2023年はどんな年だったでしょうか?一年の「納まり」とは、つまるところ「一年あったことを、どう総括して、次に生かしていくか?」です。
このこだわりのお家はお施主様に、最高の形で納めることができました。
どうか、来年もみなさまにとって良い一年でありますように。
サカヅメハウジング 安久(あんきゅう)