サカヅメハウジング安久です。
先日行いました、未来の植樹祭のイベントレポートです。
そもそも皆様がイメージする一般的な「植樹祭」とは、施設や会場の完成を祝して、「シンボルツリー」的な記念樹を、形だけの鍬入れをして記念撮影を行うというものでしょう。
しかしながら今回の植樹祭は、文字通り・・・
「山に、木の苗を植える」という「『植樹』をメインに体感頂く」という、新潟、ひいては日本の自然環境に留意した「循環型林業」を象徴する、実は重要なイベントです。
また、坂詰製材所という、新潟県阿賀野市保田の製材所がこのたび「植樹祭」を行う意義、意味は多分にございまして。
弊社は、主に新潟県産の杉の木を主に製材する会社です。社内には「製材部」や「プレカット部」という木材を加工する部門、「建築部」という木材を使用する部門以外に「林業部」という、山林で「木を切る」ところから携わる部門もあるという稀有な会社です。
そんな弊社が、今回は「伐採」のみならず「植樹」という「ゼロ→イチ」に着手するという、次のステージへの門出を祝したのが、今回の植樹祭です。
10/21㈯ 9:00 現地に到着。あいにくの雨。山は霧だって、とても壮言な雰囲気です。
この雰囲気、どこかで見たことがあるという方は、かなりのサカヅメマニアでしょう。
そう。ここは以前「伐採ツアー」を行った阿賀町某所なのです!


今回この場所には杉の木1000本と、柳の苗3000本を植樹する予定で進めておりまして、現地では林業部のスタッフが植樹の準備を手際よく進めております。

ちなみに写真の杉の木の苗。ここまで成長するのに、どのくらいの年月を要したでしょうか?早押しです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
…正解は、
「約2年!」
そうです。今回の植樹祭は、2年越しの計画のもとに進められた、壮大なプロジェクトなのです。そんな2年生の杉の木が新たにこの山に植えられます。

杉の苗は、約2メートル間隔で置かれてゆきます。
「あれ!?木の切り株がまんま、残っていますよ!?それって、苗の生育に影響あるんじゃないですか!??」
よくぞ聞いてくれました。はい、木の切り株は抜きません。
切り株は、やがて朽ちて土に還ります。むしろ、その過程で木の栄養になりますので、そのままでよいのです。
あ、切り株のことを聞かれましたので、そのお話も。

木の切り株を見れば、その木の育成状況が分かります。
年輪ひとつひとつをよく見れば、その年の気候や枝打ちの時期まで分かるそうです。その木がウン十年、そこに根を張って生きてきた歴史が分かるとは、とてもロマンチックですね。
これ、写真では平坦に見えますが、実はけっこうな斜面です。そこに輪をかけて雨による悪路で足がぬかるんで大変。木の苗を配置するのも、ひと苦労。
10時前になると、続々と植樹祭の参加者が集まり始めます。


見てください!巷の植樹祭では考えられない、「大自然」を想定した重装備!皆さん、ガチ目の雨具上下で、足元は長靴。
ささやかな開会式が行われた後に、参加者が植樹に向かいます。


新潟の山林の自然を守ることは、ひいては市街地や住宅地に住む我々の住環境の保全や海洋生物にも深くかかわることになる。※詳しくは下記ご参照ください。
間伐等の森林整備の実施 – 新潟県ホームページ (niigata.lg.jp)
森林と海の関係 – 森・川・海のつながり (shinrin-ringyou.com)
その為の大事な「植樹」に向かう参加者の後ろ姿は、さながら映画「アルマゲドン」のワンシーンを追想させます。(脳内BGM:エアロスミスの「ミス・ア・シング」)


植樹方法の説明を、山林種苗協会の会長様より。
- 配置した杉苗のすぐ横に、林業部スタッフが掘った深さ25センチほどの穴があり、
- そこに苗を入れて、周りの土を根元に集める。
- あとは、根元を両足で踏んで、植樹完了。
という流れ。参加者は、その1本1本のこれからの育成を願いながら、植樹作業を進める。一人当たり10本ほどの植樹を、静かな面持ちで進めていく。

①穴に苗を置きます

②土を踏みます

①→②の作業を繰り返します

本日植樹した木々は、40年50年かけて、立派な木材に。
植えて終わりでなく、この先、枝打ちや間伐など、しっかり人の手を加えて育てていく。その為に、林業部は厳しい山林に、雨の日も雪の日も厭わず赴く。大きな木材として収穫できるのがおよそ50年後。そんなビジネスは、一般社会ではなかなか成立しない。林業はまさに一朝一夕ではなく、世代を超えた「環境事業」です。そして山林を育てていくという営みは、自分たちの世代だけでなく、次の世代にも豊かな住環境を保持していくという、大きな意味を持つ取り組みなのです。
坂詰製材所は、新潟の山林を通じて、地元のみなさんとそんな取り組みをしていきたいと本気で思っている会社です。その思いが、植樹祭を通じて参加者の皆様に少しでもお伝え出来たなら、本イベントはひとまず大成功だと思っております。
また今後もこのような機会を設けたいと考えております。
※もし少しでも興味が湧いた方がいらっしゃったなら、ひとまずは長靴と、ガチめの雨具をご用意いただき、イベントページをこまめにチェックして頂ければ幸いです。